相続土地国庫帰属制度の運用について②

相続土地国庫帰属制度の運用について②

相続で取得した土地につき、一定の条件を満たし、所定の費用を納めれば、不要な土地を国が引き取ってくれる相続土地国庫帰属制度の運用が令和5年4月27日から開始されます。
以前の記事でもご紹介させて頂いていますが、更に詳しい情報が公開されましたので、内容を補記致します。

審査手数料について

審査手数料は、土地1筆あたり14000円と定められました。

国庫帰属の申請書を法務局に提出する際、申請書に収入印紙を貼って納付することになります。

この審査手数料は、申請後に申請を取下げた場合や、審査の結果却下・不承認となった場合でも返還されないことに注意が必要です。
法務局に申請書を提出する前に、国庫帰属が認められる条件を満たしているか慎重に検討、確認してから申請書を提出する必要があります。

制度開始前に相続した土地の国庫帰属の承認申請が可能か

制度開始前に相続した土地であっても、国庫帰属の承認申請をすることは可能です。

相続登記をしていないが、国庫帰属の承認申請が可能か

相続登記がされていなくても、国庫帰属の承認申請をすることは可能です。
ただし、戸籍謄本等の相続関係を証明する書類や、遺産分割協議書等の所有者であることを証明する書類の添付が必要です。

土地について事前の測量は必要か

申請する土地について、事前の測量等は不要です。
隣接地との境界につき境界確定を行う必要もありません。
ただし、申請者が認識する土地の所在、所有権の範囲を示した図面は提出する必要があり、申請者が認識する土地の境界点にポールやプレート、テープ類を設置して境界点が分かるようにしておく必要があります。
また、申請後、法務局から隣接地の所有者に宛てて隣接地につき国庫帰属の承認申請があった旨と土地の図面が送付され、その通知に対して土地境界につき異議がある旨の回答がされると、隣接地土地所有者との間に境界の争いが存在することになるため、申請が却下される可能性があります。
可能であれば、隣接地の所有者に話を通しておくことが望ましいかもしれません。

申請する土地が農地の場合、農業委員会の許可は必要か

申請する土地が農地の場合でも、農地法上の農業委員会の許可取得は不要です。

参考・引用

相続土地国庫帰属制度のご案内(法務省 令和5年2月版)

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